‘Get a Mac’ CM、Steve Jobsは好きではなかった。

‘Get a Mac’とは、広告代理店のTBWA\Media Arts Labが2006年から2009年にかけて、Appleが展開したCMキャンペーンで、カジュアルな服装の男性が自らをMacと紹介し、対してフォーマルスーツとネクタイの組み合わせの男性が自らをWindows PCと紹介する二人短い寸劇で、MacとPCの機能や性格が比較された。しかし、このCMは故Steve Jobsはあまり好んでいなかったそうだ。【cultofmac】

日本国内では、ラーメンズの吹き替えで以下の12作の’Get a Mac’CMが放送された。

年賀状 — MacはパソコンにiPhotoで作成した年賀状を見せる。パソコンは絵を見て「かわいい豚ですね」というが、すぐにMacが「イノシシ」とツッコミを入れる。

Macとパソコン — パソコンは、MacもパソコンなのになぜMacと呼ばれているのかと悩む。Macは多くの人たちが自分を家で使うから親しみやすいのかな、と説明する。パソコンは私はもっぱら仕事ですから、と返答する。Macはパソコンに、仕事で使うのなら「ワーク」って名前はどうだろう?と提案する。

絵の練習 — パソコンは絵を描いているというが、それらは全てグラフである。例えば、Macが山と思ったのは線グラフ、マンハッタンと思ったのは棒グラフである。そこでMacが円グラフだと思ったのは、パソコンはピザですよ、センスがないですねぇと答える。これはArt Languageに似ており、パソコンはMacのような芸術家気取りの人々と接続しようとしている。

ステップ — Macはパソコンに、最近iWebでウェブページを作ったんだという。パソコンが作成方法を聞くと、Macは3つのステップで簡単なんだと答えるが、パソコンがステップ4をしつこく聞いてくるので、Macは「コーヒーを飲む」と答える。

膨張 — この広告はStuffedに似ているが、しかし広告の中で、パソコンは最新のOSにアップグレードしたため、膨れてしまってとても動きが遅いと説明する。しかもハードディスクの容量が足りなくなっていろんなものを消去した。

iLife — この広告はほぼ正確にアメリカ版と同じで、パソコンはiPodでユーロビートを聞いている。

iMovie — アメリカのBetter Results広告とほぼ同じであり、Macのホームムービーとして中谷美紀が登場する。

オフィスの仲間 — イギリス版のOffice Posse広告をベースとしたもので、多少の変更が加えられている。終わりに、パソコンはMicrosoft Officeに向かって「残業!残業!あそ〜れ」とはやし立てる。

円グラフ — この広告はアメリカの広告Work vs. Homeをベースとしたものである。物語はほぼ同じで、Macは旅行の思い出をiLifeでブログに残したが、パソコンは旅行の思い出を円グラフで表した。

再起動 — この広告はアメリカのRestarting広告と同じである。パソコンが再びフリーズしたあと、MacはITの人を呼ぶために、パソコンを見ていて欲しいという。

セキュリティ — この広告はアメリカのTrust Mac広告をベースにしているが、シチュエーションは大幅に変更された。パソコンは鎧とヘルメットに身を包んで、コンピュータウイルスと闘う姿勢を見せるが、Macが「あ、ウイルス」と見つけると、パソコンはゆっくりとMacの後に身を隠す。

ウイルス — 広告はアメリカのVirus広告から重要な変更が含まれていない。

(出店:Wikipedia)

故Steve Jobsは、2人が演じるこれらのCMはそのトークは面白いが、視聴者の製品(Mac)への注目が薄れ、本来の目的が損なわれているのであまり好んでいなかったそうだ。

MacとWindows PCの比較が悪質すぎ、Macが持っている機能などの強みを強調しすぎとの批判もあったが、製品の違いがはっきりわかる面白いシリーズだった。