Steve Jobs は、新しい iMac のデザインをOKしていたのか

iMac Late2012のバラしを行い、果たしてこのデザインはあの Steve Jobsが求めていたものかと疑問を持った。

新しい iMac Late2012は、ディスプレイのエッジがわずか5mmという薄さのデザインには誰しもが驚かされる。しかし、分解バラしをしてみると、これまでもApple製品とは違うコストダウン化が計られていた。

iMac 2009モデルの分解バラしでは、 吸盤でガラスを取り外す作業があった。もちろん、iMac Late2012も本体外側には一切のビスはない。 ガラスを取り外すことなく、内部へのアクセスができないのだ。しかし、吸盤でどれだけガラスを引っ張っても外れようとしなかった。iMac Late2012モデルでは、ガラスが磁石で固定されるというコストのかかる方法でガラスパネル一体型液晶を固定していなかったのだ。実は、iPad 4thで使われているのと同じ、断熱すきま用テープのようなクッション素材のテープで固定されていたのだ。

この固定方法では、一度取り外すと二度と付けることができない。さらに、一見すると修理コストがかかるように思えるが、磁石による固定方法に比べると初期コストをかなり削減できたはずだ。iMac Late2012は、一般ユーザがメモリ増設やハードディスク交換などできない仕様になっているので、そう度々取り外すことはないが、両面テープで固定するという方法は、見えないところまでこだわり追求し続けた Steve Jobsが選択した方法なのだろうか。

iMac Late2012の筐体は、アルミ素材で構成されている。 MacBook Pro MacBook Air は、ユニボディというアルミ板をNCマシンで一つずつ削りだす手間のかかる方法で製造されている。しかし、iMac Late2012の筐体は、パネルのビス受け口を別パーツとして溶接で取り付けられていた。これもコストダウンの証だろう。
常に内部のデザインまでこだわった Steve Jobs分解バラしをしても美しいデザインだったが、果たしてこのデザインをOKしていたのだろうか…。とはいえ、この筐体の薄さで、これだけパーツを固定し、強度をもたせたiMac Late2012のデザインには驚く。これまで発表されてきた iMac の中では、最高のモデルであることは間違いない。

Apple Online Storeでは、iMac 21.5インチモデルの出荷予定が1−3営業日と案内されているが、ホリデーシーズンに向けて品薄状態となることは必至だろう。