いよいよ PowerBook という製品が消える。
1991年、Apple は初めて PowerBookシリーズを発表した。発売当初は、PowerBook 100、140、170 の 3モデルで最も価格の安かった PowerBook 100 でさえ30万円と高価だった。当時は CDドライブや DVDドライブ等はなく、外付のフロッピードライブが唯一のデバイスであった。このフロッピードライブから Mac のシステムが起動した。今では考えられないほどシンプルなものだった。インターネットもまだまだ浸透していなかった当時、公衆電話の前で PowerBook 100 からパソコン通信をピーガー (アナログ音) と鳴らしながら誇らしげにしたものだ。
1997年、今でも伝説となっている PowerBook 2400 が登場した。日本人が求めていたサイズと機能がうけ、大人気のモデルとなった。そして、ユーザ自ら様々なカスタマイズを施し、お飾り系や中が透けて見えるスケルトンモデルも登場した。
その後、PowerPC プロセッサが採用され、曲線的なデザインが美しい PowerBook G3 が発売された。この頃からアップルのロゴも6色リンゴから単色の白いロゴに変更され、液晶パネルの発光を利用してアップルのロゴが光るデザインはこのモデルから始まった。
2001年、チタン合金を筐体に使ったまったく新しい15インチ PowerBook G4 が発表された。チタン合金の強度を活かした厚さ1インチのノートパソコンは驚きだった。デザインもそれまでの曲線的なものから一変してスクエアースタイルとなったのも衝撃的だった。
その後、PowerBook G4 シリーズにチタン合金より軽い素材のアルミ合金が採用され、12インチ、15インチ、さらにワイド画面の17インチモデルが登場した。そして、PowerBook シリーズに PowerPC G5 プロセッサが搭載されることなく、後継機種として今年 Intel プロセッサ搭載の15インチ MacBookPro が発表された。ついにPowerBookという製品名が消える時が来たのだ。
現在、12インチと17インチ PowerBook G4 は継続販売されているが、昨日お伝えしたとおり、12インチモデルの出荷予定日に変更があり、供給量が極端に少なくなったようだ。さらに、この週末 17インチ MacBookPro が発表されると、17インチPowerBook G4 も購入が難しくなるだろう。そして、販売終了のアナウンスとともに PowerBookシリーズ が15年間の歴史を終える。

12インチ：PowerBook G4 (￥184,800)
17インチ：PowerBook G4 (￥299,800)